日本ハム栗山英樹監督(55)が、ふがいない1敗に憤慨した。ロッテに見せ場なく1-5で敗れて連敗。浮上の機運から一転して、5カードぶり負け越しが確定した。1回1死一、三塁の先制機で中田が三ゴロ併殺など、再三の好機を生かせず10残塁。栗山監督が「頭に血が上っている」などと怒りをあらわにする内容だった。今季初昇格の浅間の先発起用など刺激策を敢行したが、空回りした。

 脇目も振らず、まっすぐに怒っていた。栗山監督が表情を紅潮させたまま、敵地の通路に登場した。敗戦の弁を切り出す前に、報道陣に忠告した。「これだけ頭に血が上っているから、何を聞いても怒らないよ」。試合の分岐点になる要所の得点機を手放し、無抵抗に近い状態で終戦。手応えがあるから、もどかしい。熱を帯びながら大演説を、展開していった。

 栗山監督 勝負になっていない。若いチームなんだからチャレンジャーとしてぶつかっていく。必死にやっていかないとダメ。みんなが「姿」を見せないと。

 操縦する兵のハートを揺さぶる手は、打った。今季初昇格した浅間を「7番・中堅」で先発起用。2月のキャンプ中に患った急性腰痛から復帰した、今季の目玉を抜てきした。13日オリックス戦以来となる1番に、西川を配備。8日楽天戦から中軸を任せてきた近藤を、不振を理由にスタメンから外した。代打で途中出場させ、2年ぶりに三塁の守備に就かせるサプライズも仕掛けた。動いて活性化を狙ったが、即効性なし。借金はまた2へ膨らんだ。

 出はなをくじいたのは、この2戦で大ブレーキの主砲だ。1回1死一、三塁の先制機で、中田が初球打ち。三ゴロ併殺。一気にムードは沈み、その後の反撃機運の消失へつながった。勝率5割へ戻し、勢い十分だった2位ロッテとの勝負の3連戦。あと1試合を残すが2戦で計8打数無安打で、計6度が得点圏。自身の不振が響き、指揮官と同じように憤慨した。「オレは何をやっても論外だ」。3・4月は負け越し、今日1日から5月へ突入する。5戦未勝利の投手・大谷が先発。今季のターニングポイントの1つ、大一番になる。【高山通史】