パ・リーグ最低打率の打撃ではなかった。ソフトバンク今宮健太内野手(24)が、オリックスのエース金子から3安打2打点の大活躍。最後の打席で二塁打が出ればサイクル安打だったが、勝負を避けられ四球に終わった。

 2回の第1打席で、金子のカーブの曲がりっぱなをとらえ右前打とした。続く4回の打席では内角高めボール気味の142キロ直球をうまくたたみ左翼テラス席へ運ぶ3号ソロとした。今宮が振り返る。「難しいコースをあのポイントで打てた。一番理想とする打球。不器用だから、何かにたとえるならテニスのラケットを振る感じ。テニスはやったことはないですけど」。

 6回には1死一塁から、前打者の鶴岡が送ってチャンスを作った。「打率2割の打者の前に犠打で送ってもらった。何とかその気持ちに応えたかった」。チェンジアップをとらえて三塁打とし、決勝点をたたきだした。試合前に1割9分だった打率は2割7厘まで上がった。依然として規定打席到達者の中で最下位の31位だが、この日は間違いなく4連勝の立役者だった。

 24日に22得点で大勝した試合は、先発メンバーで今宮だけ安打がなかった。試合後に「意識はありました」と悔しさをにじませていた。9番今宮のバットにも火がつき、貯金は今季最多の15まで増えた。工藤監督は「引き締めて、交流戦前にしっかりと勝ち越せるようにしたい」。最高の勢いで、2位ロッテが待つ千葉へと乗り込む。

 ▼ソフトバンクが交流戦前の首位を決めた。今日27日からのロッテとの3連戦に全敗しても28勝16敗4分け(勝率6割3分6厘)となり、31勝19敗1分け(同6割2分)のロッテを上回る。ソフトバンクがリーグ首位で交流戦に入るのは07年以来9年ぶり。