阪神藤浪は今季初の2本塁打を浴びるなど苦しみ、またも勝てなかった。3-3で迎えた5回2死二塁、打席には5番川端。詰まらせにかかった内角カットボールが浮き、右翼席中段に2ランを運ばれた。「インコースをはられていた。すごく甘かったわけではないけど、ボール1個分、高かった」。自分への怒りをぶつけるように、思わず右手で右足をたたいた。

 1回は4番バレンティンに適時内野安打を許し、ここ4戦登板で3度目の初回失点。同点になった3回2死一塁、今度はバレンティンに左越え2ランを献上した。内角低めツーシームは甘い球ではなく、「完全に読まれていたと思います」。2被弾とも狙われたイメージが残り、「それを感じ取らないと。勉強しないといけない」と猛省した。

 7回で今季ワーストの11安打、5失点。味方打線の援護で勝ち負けはつかなかったが、チームは9回サヨナラ負けを喫した。「真っすぐは良かったし、調子も良かった。でも結果が出ないと意味がない」。6連勝中だったヤクルト相手にトンネルを抜け出せず。シーズン初登板から3連勝を飾った4月12日DeNA戦を最後に、自身最長タイとなる同一シーズン6戦連続勝ちなしとなった。

 1カ月以上も白星に見放され、セ・パ交流戦に突入する。金本監督は「まだ本調子じゃない。もうそろそろ上がってきてほしい時が来たけどね」と大黒柱の浮上を待ちわびた。【佐井陽介】

 ▼藤浪の1試合2被本塁打は、13年9月7日巨人戦(村田、長野)、15年6月10日ソフトバンク戦(李大浩、松田)と並びプロ入り後最多。また1試合11被安打はプロ入り後ワースト2位で、13年6月9日ロッテ戦12被安打に次ぎ、14年8月1日DeNA戦と並んだ。これで4月19日ヤクルト戦から6戦勝ちなし。同一シーズンでは、15年4月5日巨人戦~5月8日広島戦と並び、自己ワーストとなった。