日本ハムが、9連敗中だった楽天に競り負けた。ルーキー横尾俊建内野手(23)がプロ初安打を放ち、4番中田翔内野手(27)の一時は勝ち越しとなるソロ本塁打も飛び出したが、前日26日のロッテ戦に続き1点差の接戦を落とした。4投手でつないだ栗山英樹監督(55)の采配も実らず、3連敗で貯金も1まで減った。

 お祭り騒ぎに背を向けた。大型連敗を脱した楽天と、3連敗の日本ハム。ベンチ裏のスイングスペースに姿を見せた栗山監督は「こっちも必死になっているつもり。(選手たちを)勝たせてあげなきゃいけないんだけど…」。重たい足取りで、バスへと向かった。

 各選手が、求められた「役割」をこなせなかった。1点リードの6回2死一塁、栗山監督は吉川から谷元に継投した。「早く替えてるけど、その前までがあまりにもいいから、(疲労が出始めると)相手が打ちやすくなる。その前に手を打つということ」。まだ89球、あと1アウトでイニングが完了する場面だったが、決断した。

 打席には4回に併殺に倒れている右の中川。しかし、谷元は四球を与えて走者を増やし、続く左の銀次に決勝打を浴びた。攻撃でも、8回に先頭の田中賢が中前打で出塁。モーションの大きいミコライオから二盗、三盗と立て続けに決めて好機をつくり出したが、外野フライでも、前進守備の内野の間を抜けるゴロでも同点に追いつく1死三塁で、レアードは遊飛。続く浅間も倒れて最大の好機を逸した。指揮官も「あそこのところだよね…」。1つのプレー、わずかな差が勝敗を分けた。

 首位ソフトバンクとのゲーム差は、今季最大の7・5に広がった。交流戦を前に、正念場がやってきた。【本間翼】