ヤクルト中村が殊勲の勝ち越し打を放った。6-6の延長11回2死一、二塁。中日福から一塁線を破る2点適時二塁打。「マイナス要素しかなかったけど…。点を取られすぎていたし。何とかいい場面で打てて良かった」。地元・福井から駆け付けた約80人の後援会の人たちへ勇姿を届けた。

 毎年、打撃不振と言われ続けてきた。「自分も分かっているはずだけど、人から言われることは嫌ですね」。試合後の素振りに加え、翌日の対戦投手をイメージトレ。捕手ならではの配球を考え、バットを振り込んできた。

 指揮官の節目を飾る一打でもあった。真中監督は196戦目で監督通算100勝目に到達。前任の小川SD(176試合)に次ぐ球団史上2番目の速さに「まだまだこれから。1つずつ積み重ねていきたい」と前を見据えた。昨季のリーグ王者が、最下位に甘んじるはずがない。【栗田尚樹】