大院大高が大阪桐蔭に逆転勝ちし、11年以来13年ぶりの春季大会準決勝に進出した。春夏秋を通じて大阪大会の同一大会で履正社、大阪桐蔭の2校に勝ったのは09年夏のPL学園以来15年ぶりの快挙だ。

6回に1点を先制され、迎えた9回。大阪桐蔭・平嶋桂知(かいち)投手(3年)を相手に無死一塁からプロ注目の今坂幸暉(ともき)内野手(3年)が右前打をマーク。一塁走者が二塁を蹴って三塁へ向かい、右翼手の徳丸快晴外野手(3年)の三塁への送球が大きくそれ、そのまま同点のホームを踏んだ。なお無死三塁から平嶋の暴投でボールが捕手の後ろを転がる間に、三塁走者の今坂が本塁へヘッドスライディングして勝ち越した。その裏の攻撃をしのぎ、逃げ切った。

4回戦では履正社を下し、準々決勝では大阪桐蔭と強豪を連破した。4打数2安打で勝利に貢献した今坂は「履正社に勝ったのがたまたまと言われたくなかった。大阪2強って言われてる2校を倒せて、素直にめちゃくちゃうれしいです」と話しつつ、「自分たちが目指してるのは大阪1位ではない。日本一目指してやってるんで、ここも通過点だと思ってるし、履正社、大阪桐蔭に勝ったことで満足してる人は1人もいないと思います」と堂々と言い切った。

先発した左腕の大院大高・前川琉人投手(3年)は120キロ台の直球とスローカーブを駆使して緩急を使った投球をみせ、9回7安打1失点の完投勝利を挙げた。