マテオ不在の一戦を阪神藤川が最後をひやひやで締めた。4点リードの9回から登板。「状態はしんどいと思うけど、勝って終わらせないといけないので」。2点を失ったが何とか後続を断ち、大汗の苦笑いでハイタッチの列に加わった。

 先頭脇谷は空振り三振に斬ったが、亀井と大田に連打を許すと、相川四球で1無死満塁。ここで暴投で1点を失うと坂本に犠飛を打たれ、2点差に迫られた。なお1発同点のピンチ。4番クルーズを捕邪飛に抑え、からくも逃げ切った。

 最速は147キロを計測したが、藤川の言うように決して状態はよくない。だがマテオが離脱し、守護神不在の一大事。金本監督は「経験と球の勢いを考えると球児しかいない」と説明。託された球児も懸命の全力投球で応え、2点は失っても白星はこぼさなかった。

 リードで9回に登板するのは18日中日戦以来。その時もマテオが下半身の張りを訴えてベンチを外れ、急きょ守護神を務めて国内4年ぶりセーブを挙げた。再び巡ってきた代役守護神。何点失っても逆転されないことは、ストッパーとしての信念でもある。「(状態は)上がってくると思う。とりあえず明日で、交流戦から仕切り直せれば」と、今後の復調も約束した。

 今日29日も基本的には藤川がストッパー役を託されるもよう。31日楽天戦からは2軍調整中のドリスが復帰する見込み。マテオ不在の交流戦序盤は、ドリスや藤川、さらに他救援陣を含め、勝利の方程式が再構築されるようだ。【松井清員】