12球団で唯一交流戦0勝だったオリックスが、ヤクルトを相手に待望の初勝利を挙げた。西武戦から続く4連敗を止めた殊勲者は、守護神の平野だった。逆転して2点差に広げた8回、3番手塚原が1点差に追い上げられてなお無死満塁で緊急登板した。雄平を初球で二ゴロ併殺打、続く代打今浪を二ゴロ。絶体絶命のピンチを切り抜けた。

 「開き直って投げた。ゼロで抑えたいと思ったし、最高の結果になって良かった。8回を抑えたところでもう1回と冷静になれた」。今季3度目の複数回となった9回も締めた。「平野の22球」とも呼ぶべき奇跡的な10セーブ目だった。

 この春、関西6大学で母校京産大が3季ぶりの優勝。平野にとってもうれしい出来事だった。「ここで後輩たちも頑張ってくれると思うので」。6日から全日本大学選手権が始まる神宮のマウンドで、“手本”を示した。

 福良監督も「あそこで出せるのは平野しかいない。よく頑張ってくれた」と最敬礼だ。8回にボグセビックが逆転打など、低調だった打線も11試合ぶりに2桁安打をマーク。これまで7回終了時でリードされていれば1勝21敗だった。だが終盤に粘り、苦しみながら全員でつかんだ今季20勝目。チームに久しぶりの笑顔が戻った。【大池和幸】