日本ハム大谷翔平投手(21)が、「日本生命セ・パ交流戦」巨人戦で、日本球界最速の163キロをマークした。「5番投手」の“リアル二刀流”で出場し、6安打10奪三振2失点(自責1)の完投勝利。

 大谷は、かつて母校岩手・花巻東高のウエートトレーニング場に2つの目標を書いた紙を貼っていた。「甲子園」の目標は2度の出場でかなえたが、もう1つの「163キロ」という理想の球速には高校時代にあと3キロ及ばなかった。プロで経験を積み、数年前に描いた青写真をようやく現実のものにした。

 目標を記したのは高校2年の時。花巻東の佐々木洋監督(40)は「私は高校のうちに160キロを出せ、と言ったのに、あいつは知らぬ間に163キロと書いていた」と笑って振り返る。この日届いた大記録にも「165キロは軽く出ると思っていたので」と全く驚かなかった。「人類は球速170キロを出すことができる。大谷の持っているポテンシャルなら、このままいけば160キロ後半も普通に出る。そこを目指して欲しいです」と愛弟子にハッパをかけた。