宇宙からやってきた? 助っ人が本領を発揮した。DeNAの新外国人エリアン・エレラ内野手(31)が来日後初安打を含む3安打3打点で大勝に導いた。1日の西武戦から1軍合流し、即スタメンで起用されるも、ここまで15打席無安打。ベールに包まれていた打棒が一気にはじけた。チームも今季最多の18安打で最多タイの11得点。同一カード初の3連勝で3位浮上。明日7日からは王者ソフトバンクに挑む。

 宇宙の架空生物(エイリアン)ではない。「ハマのエリアン」はリアルに存在した。1軍合流5戦目、実に16打席目だった。3回2死満塁。ロッテ唐川のカウント2ボールからの3球目に反応した。鋭い打球で三遊間を破り、来日後初安打となる2点適時打をマーク。相手の送球のすきを見逃さず、二塁ベースにヘッドスライディングで飛び込んだ。「ヒットを打つまではプレッシャーがあったし、力みもあった。やっと打てた。興奮した」。お立ち台で大歓声に迎えられた。

 一見、おとなしそうだが実に愉快な助っ人だ。好きな日本語は「先輩」。不振の中で新たに覚えたのは「後輩」。日本で好きな食べ物はチャーハンとラーメンで「セットじゃないよ。別々に食べた。チャーハンは米国にいたときから食べている。おいしいね」とニヤリと笑いながら明かした。立派に蓄えられていたヒゲをこの日からそり落とした。「昨日、気分転換でそったんだ。(見た目の)違いを見せたかった」とすっきりした頬をさすった。

 グラウンドでは真面目さが際立つ。5月18日に来日し、翌19日から横須賀市の2軍施設で調整に入った。1軍合流後、結果を出せずに苦しんだが、ラミレス監督は「タフな状況で1本出てくれたことで乗り越えてくれた」と目を細めた。エリアン本人は「チームメートから『明日は打てるぞ』と声を掛けてもらった。ポジティブになることができた」と感謝した。

 新助っ人が戦力として加わり、チームは今季初の同一カード3連勝を飾った。勢いそのままにソフトバンクに挑む。「決して簡単な相手ではないが、この流れで2勝以上して勝ち越したい」と指揮官。エリアンとともに、宇宙規模の快進撃がこれから始まる。【為田聡史】

 ◆エリアン・エレラ 1985年2月1日、ドミニカ共和国生まれ。06年にアマチュアFAでドジャースと契約し12年にメジャーに初昇格し13年オフにブルワーズ移籍。今季は古巣ド軍とマイナー契約を結び傘下3Aでプレーした。メジャー通算223試合で打率2割5分3厘、8本塁打、55打点。二塁、三塁、遊撃に加え、外野も守れる。180センチ、93キロ。右投げ両打ち。

 ▼DeNAがロッテに3連勝。3連勝は今季4度目だが、同一カード3連戦3連勝は今季初。交流戦で3連勝は14年6月18~22日以来だが、同一カード3連戦では05年6月7~9日日本ハム戦、06年6月2~4日日本ハム戦、06年6月9~12日オリックス戦に次いで10年ぶり4度目。ロッテ戦では初。