「ソフトバンク爆勝中」。鷹が巨人に3連戦3連勝を飾り、連勝を6とした。両リーグ最速で40勝に到達する白星を運んできたのは、「待機中」解除の城所龍磨外野手(30)。1回に先制2ランを放つと、3回に自身初の2打席連続本塁打。マーリンズ・イチローが「キドコロ待機中」のTシャツを着て話題になったこともあったが、今のキドコロはまさに「活躍中」だ。

 誰もが驚きの城所劇場だった。プロ13年目で初の2打席連発だ。初回無死二塁から右翼テラス席に先制3号2ラン。試合開始からわずか7球で2点を奪うと、3回にも1死一塁から再び右翼席への4号2ラン。巨人に3タテを食らわせた。

 「バントや進塁打だと思って打席に入ったら打てのサインだったので、腹をくくって思い切りいった。プロ通算3本だったのに…。お客さんが一番ビックリしているんじゃないでしょうか。自分もビックリした」

 これで6試合連続スタメンで6試合連続安打。5回にも内野安打を放ち、今季2度目の猛打賞。先発出場14試合中13試合で安打を放つ活躍だ。今季は休日の月曜も毎週球場を訪れ、練習を続けている。ナイターだった前夜は0時半に就寝し、朝6時半に起床。7時半に球場入り。デーゲームでもルーティンの早出打撃を欠かさなかった。努力を怠らない男を、野球の神様は裏切らなかった。

 試合後は、選手サロンに戻るなり「疲れました」とテーブルに倒れ込んだ。松田から「だから雨降るんや。大雨やぞ」とちゃかされ、サファテにも「城所、ドーピングです!」とジョークで活躍をたたえられた。

 お立ち台では新発売の「キドコロ○○中」TシャツをPRした。一昨年、イチローが「-待機中」Tシャツを着用したことで火がついた人気グッズ。そのイチローは、歴代最多の4256安打まで日米通算であと4本に迫っている。「僕なんか次元が違いすぎて恐れ多いですよ」とコメントをためらったが、自分なら○○に何と書くかと聞かれ「必死中ですね」と即答した。

 チームは早くも40勝到達。「勝ちたい気持ちが出ている。2点差に追い上げられても、1点取るぞという声が出ている。誰も安心していない」(工藤監督)。交流戦最高勝率へのマジックは5になり、視界良好中だ。【福岡吉央】

 ▼ソフトバンクが6連勝で両リーグ40勝一番乗り。60試合以下で40勝到達は05年ロッテ(56試合で40勝16敗)以来になるが、ソフトバンクは5引き分けがあり、現在の勝率は7割2分7厘。40勝到達時としては71年阪急(7割6分9厘)以来の高さで2リーグ制後では51年南海に並び5位タイの高勝率で40勝を記録した。