日本ハムが執念采配で逆転勝利をものにした。4点を追う7回だ。2点を返し、なお2死一、二塁。栗山監督は不振の中田に代打矢野を送った。4番を外す指揮官の決断に、矢野は四球で出塁、続く田中賢、レアードの連打で逆転した。試合後、異例の交代の理由について「腰の張り」とだけ答え、質問をかわした。

 「オレが監督をやっている間は4番は翔」。就任5年目。栗山監督は、手の甲を骨折していようが、4番中田を起用した。だが、ついに途中交代。この日も3打数無安打、最近10試合は38打数4安打、15三振と絶不調なのは明白だった。ヒーローのレアードも「中田はファイターズの4番。(監督の)決断は難しかったと思う」と、指揮官の苦渋の決断を代弁した。

 トレーナー室で勝利を見届けた中田は「(代打に)別に何も思わない。チームがすごい勝ち方をしたのはよかった。また明日も試合があるので」と話し、車へ乗り込んだ。今季初の5連勝に栗山監督は「みんなが必死になって何とかしようとしてくれた。こういうゲームができるのがうれしい」。首位ソフトバンク追跡へ。チームは大きなうなりをあげて動きはじめた。【本間翼】