片岡打撃コーチの代打打診を阪神金本知憲監督(48)はさえぎった。3点ビハインドの7回2死。先発藤浪がそのまま打席に立った。逆転を目指し1点でも返すべく、代打投入がセオリー。しかも131球を投じていた。だが指揮官の選択肢は怒りの続投だった。

 金本監督 あの立ち上がりがすべてでしょう。ストライクが入らず取りにいって打たれて、何も変わってない。(初回失点は)何回目? 8回目? 全部四球がらみでしょ? 今日は何球投げようが10点取られようが、最後まで投げさせるつもりだった。

 若きエースは、初回先頭田中に四球を与えると菊池に二塁打。何とか2死までこぎ着けたがルナにも四球を与えて満塁とされ、鈴木に先制の2点タイムリーを献上。さらに本塁への重盗も許して3点を失った。この姿がふがいなく映った。

 金本監督 昨日青柳で勝って、さあ前回のマツダで3連敗したリベンジというところで、あれじゃ…。去年14勝した投手のやることじゃないでしょ?

 続投した藤浪は8回、プロ初のボークと2四死球もからみ、さらに失点。球数はプロ最多の161球を数え、ようやく9回続投は免除された。

 ついに自力優勝が消滅した。中でもここ12試合で1勝(5敗)しかできていない藤浪の背信は大きい。金本監督は「予定では10勝していてもおかしくない。それがチームの借金につながっている、というと全部背負わせすぎかもしれないけど、それぐらいの責任を感じて欲しい」と叱咤(しった)した。