巨人大竹寛投手(33)が、特別な日に、特別な先輩に、そして特別な一戦に勝った。初回にいきなり2失点。だが勝利への意思は折れない。2回2死一塁の打席では黒田から右前打でつなぎ、長野の適時打を演出。試合後、内田打撃コーチから「久々のあっち向いてホイ打法だな」と声を掛けられるほど「必死につないだ」一打。3回の投球では無死満塁の大ピンチを迎えたが「あたふたしてもしょうがない」と開き直り、ルナを右邪飛、新井を三ゴロ併殺に打ち取った。

 6日は広島に原爆が投下された日。「広島にいた時から、特別な日として、過ごしてきたし、大事な日と感じています」。広島時代から尊敬する大投手だった200勝右腕の黒田と初めて投げ合った。そして奇跡の逆転優勝をかけて今カードのノルマともいえる2勝目をかけたマウンドだった。6回途中2失点。「何とか抑えられて良かった」と柔和な笑顔を浮かべたが、村田真ヘッドコーチに「気迫があった」と言わせる、すごみを感じさせる投球だった。