オーナー効果? でオリックスが痛烈な首位いじめだ。ソフトバンク3連戦の最後は逆転勝ちでスイープ成功。今季初の4連勝とした。殊勲は6回に逆転2点打を放った安達だ。「みんながつないでくれたので何とかしたかった」。1月に潰瘍性大腸炎を発症、難しい調整を続けながら7月度の月間MVPを受賞した男が試合を決めた。

 7日ロッテ戦に勝ってから4連勝だが、その日は“特別なこと”があった。観戦した宮内オーナーが「最下位なんて論外。残りは全勝や!」とカツを入れたのだ。そこからの連勝なのだから、なかなかの効果といえる。

 「全体的に調子は上がってきてるよね。まあ、もう少し早い段階ならよかったけど。でも1つ、1つです」。福良監督も言葉をかみしめた。この日は先発全員安打で、それもすべて単打。さらに出た安打はその9本だけという、将棋で言えば「歩」だけの攻撃で首位を下したのだから、また、たまらない勝利だ。

 借金は17にまで減った。完済はもちろん、Aクラスもまだ遠いが、調子が持続できれば上位チームにはオリックスがいやな存在になる。【編集委員・高原寿夫】