楽天が、終盤の猛攻でオリックスに逆転勝利を収め、自力CSを復活させた。1-6の6回、銀次内野手(28)の2号ソロなど5安打の集中攻撃で3得点。2点ビハインドの8回には、ジャフェット・アマダー内野手(29)とカルロス・ペゲーロ外野手(29)の2者連続アーチで同点。1死一、三塁から相手の暴投で勝ち越しに成功した。3位ロッテとのゲーム差は6・5まで縮まった。

 ヘビー級のワン・ツー・スリー・パンチでオリックスを粉砕した。体重135キロ。アマダーのこの日2本目となる特大アーチが、逆転劇を呼び込んだ。4-6の8回、先頭のアマダーが「前回の対戦でやられているボールが甘く入った」と比嘉のスライダーを完璧に捉え、バックスクリーンにたたき込んだ。梨田監督をして「あの本塁打は大きい。本当にいい流れを作ってくれた」と、うならせる1発。打線の勢いを加速させた。

 アマダーの作った追い風に体重119キロのペゲーロが応えた。外角速球を完璧に捉え、右翼席上段に飛び込む超特大の140メートル同点弾だ。ペゲーロは「あの打席は一振りで決めようと思っていた。しっかり準備していた私のほうが上だった」。助っ人2人が点火し、なお1死一、三塁とプレッシャーを与え続け、松葉の暴投で勝利をものにした。

 アマダーは4回にもぶち込んだ。右翼ポール際に運ぶ技ありの1発で打線にカツを入れた。5点を追う6回には、先頭銀次のソロなど5安打で3得点。この回に適時打を放った藤田は「点差があっても負ける気がしなかった。スタンドの後押しもすごい。終盤にチャンスを作れば打線がつながると思っていた」。今季最大の5点差を逆転した打線の粘りを肌で感じた。

 8月はチームの69本塁打のうち、実に21本も記録している。10日で6本のアマダーに2試合連続アーチのペゲーロ、リーグ3位タイの23本のウィーラーの存在が大きい。「特にアマダーとペゲーロが打つと心強い。雰囲気を変えてくれるし、相手にとって脅威になる」。梨田監督は助っ人たちの力の重要性を説く。打線がすごみを増して3連勝。3位ロッテとのゲーム差を6・5とし、自力CS進出も復活した。この勢いで、上位の座を奪い取る。【田口元義】