4、5、6番合わせて体重354キロの「超ヘビー級トリオ」で、楽天が日本ハム相手に今季初の連勝とカード勝ち越しを決めた。2回、NPB史上最重量135キロのジャフェット・アマダー内野手が敵失を招き、119キロのカルロス・ペゲーロ外野手が先制2ラン。3回には100キロのゼラス・ウィーラー内野手が24号3ランで試合を決めた。8月を白星で締め、3位ロッテとは6・5ゲーム差。勝負の9月に全てをかける。

 見た目はワイルドでも3人そろえば笑顔が絶えない、ヘビー級助っ人トリオの猛打が止まらない。2回にはアマダーを一塁に置き、ペゲーロが弾丸ライナーの5号2ラン。4回にもウィーラーが24号3ランをたたき込み、一気に試合を決めた。チーム4連敗中の日本ハム先発メンドーサを4回途中でマットに沈める速攻劇。梨田監督は「この4、5、6番に細かい指示はいらない。好きに打ってもらえばいい」と最敬礼した。

 同じ29歳の早生まれ3人組は、直近5試合で合計62打数28安打の打率4割5分2厘、9本塁打、22打点の大暴れ。楽天2年目のウィーラーが2人から「センパイ」と呼ばれ、配球などの助言を行う不思議な関係でお互いを高め合ってきた。ペゲーロは「非常に興味深い組み合わせ。3人のどこかで必ず1つ失投があるから、我慢強く待とうといつも皆で話している」と信頼関係を明かす。ウィーラーも「日本語のセンパイの意味は分かっているよ。僕も彼らから助言をもらい、参考にしている」。強く結ばれた絆がある。

 必然の大爆発が8月の楽天の快進撃を支えた。アマダーは今月だけで8本塁打。「日本の配球や生活に慣れてきたことは大きい」と好結果の要因を伝える。初めて暮らす異国の地。スペイン語の本を片手に積極的に話しかけてくれる米村外野守備走塁コーチら、温かく受け入れてくれたチームメートの力になりたかった。3人で常々「チームの勝利のために」と奮闘を誓い、日本野球に対応しようと勉強を重ねてきた。シーズンも終盤戦に突入し、その努力が実を結びつつある。

 長らくリーグ最少だったチーム本塁打が、ロッテを抜き4位となった。長打力という新たな武器を携え、勝負の9月へ。助っ人の底力を見せる。【松本岳志】