25年ぶりの優勝の余韻が残る広島で、低迷期を支えたベテラン2人がユニホームを脱ぐ決断を下した。倉義和捕手(41)と広瀬純外野手(37)が20日、球団に今季限りでの引退を申し入れ、了承された。近日中に引退会見を行う。球団は25日の本拠地最終戦でセレモニーを催す予定で、2人の花道をつくる方針だ。

 倉は強肩と円熟味のあるリードでFA移籍前の黒田の専属捕手を務めた。25日の先発は黒田。仮に引退試合が実現すれば、黒田-倉のバッテリー復活の可能性もある。倉は黒田復帰の際に「黒田さんが帰ってくるまで現役、というのが目標だった。もう1度組みたい」と願っていた。今季は2軍バッテリーコーチも兼任。今後もコーチとして球団に残るとみられる。

 広瀬は強肩、強打の外野手として活躍。10年には打率3割9厘をマークし、ゴールデングラブ賞も受賞した。13年にはいまだに破られていない15打席連続出塁のプロ野球新記録を樹立。松田元オーナー(65)は「守備の華麗さと肩の強さは特別だった」と振り返る。今後は未定ながらも、将来的にコーチで復帰する可能性が高い。2人はともに後輩に日本一の夢を託し、静かにバットを置いた。

 ◆倉義和(くら・よしかず)1975年(昭50)7月27日、京都府生まれ。京都成章-京産大。97年ドラフト5位で入団。08年からは2年間、選手会長も務めた。今季から2軍バッテリーコーチを兼任。179センチ、90キロ。右投げ右打ち。推定年俸2700万円。

 ◆広瀬純(ひろせ・じゅん)1979年(昭54)3月29日、大分県生まれ。佐伯鶴城から法大に進み、シドニー五輪に出場。00年に逆指名によるドラフト2位で広島入団。10年に初めて規定打席に到達して打率3割9厘をマーク、ゴールデングラブ賞も獲得。181センチ、85キロ。右投げ右打ち。推定年俸3800万円。