下投げロケットが国内を飛び立つ! 今季、先発ローテーションに定着した阪神ドラフト5位ルーキーの青柳晃洋投手(22)が、11月26日から開催される「台湾ウインターリーグ(WL)」に派遣される見通しであることが5日、分かった。先発ローテ投手の参加は極めて異例。金本監督も期待を寄せる変則右腕が、2年目の飛躍につなげる。

 またとないチャンスが、青柳のもとに転がり込んできた。来季のさらなる飛躍へ。青柳が遠く台湾の地へ、異例の武者修行に臨むこととなった。今季は6月1日楽天戦でプロ入り初先発初勝利をあげると、以降は先発ローテに定着。12試合に先発し4勝5敗、防御率3・29と、ルーキーとして十分すぎる成績を残した。

 それだけに、青柳の台湾行きは異例の派遣となる。昨年まで台湾ウインターリーグに派遣されるメンバーは、なかなか1軍で結果を残すことができていない若手が中心。昨年派遣された岩貞、陽川、横田、田面の4人は、2年目だった岩貞が通算2勝を挙げていたのが成績最上位で、残る3人は1軍未経験という構成だった。

 結果を残しての台湾行き。それも全ては、金本監督の期待の大きさからくるものだろう。この日行われたオーナー報告後の記者会見。指揮官は今季伸びた投手を問われると「投手は岩貞、青柳もそうですね。四球は多いけど、球に力があるし、彼の努力次第では来年2桁ぐらい行くんじゃないか。期待してるし成長して欲しいと思う」と話した。来季の戦力として、背番号50を計算に入れていることは間違いない。

 事実、台湾ウインターリーグに派遣された若虎たちは、翌年の活躍につなげている。岩貞が今季1軍ローテに定着し10勝を挙げると、横田は開幕スタメンを獲得した。陽川、田面も1軍初出場を果たしてみせた。今季4勝の青柳も、異国の地でもまれれば、10勝到達も現実味を帯びてくるだろう。

 現在みやざきフェニックス・リーグに参加している変則右腕。5日楽天戦に先発予定だったが、降雨中止で今日6日の韓国・LGツインズ戦にスライド登板することとなった。「ストライク率65%以上を目指してできるように初球は絶対ストライクを取るようにしたいですね」。自身の課題に挙げる制球力の向上を目指して、努力を続けている。現状では青柳の他に、ドラフト2位坂本、2年目左腕横山が派遣される見込みだ。若虎たちが充実の日々を過ごし、来季の活躍につなげる。

 ◆台湾ウインターリーグ 正式名称はアジアウインターベースボール。台湾プロ野球が主催。11月26日から12月18日の約1カ月間、台湾・台中で行われる。日本からNPB選抜として今年から2チームが参加、台湾プロとアマチュアチーム、韓国と欧州の6チームでリーグ戦を行う。