地元スターが欲しいなっし~! 中日が、ドラフト会議(20日)で春夏連続で甲子園出場した「ふじっしー」こと東邦(愛知)藤嶋健人投手(3年)を指名リストに入れることが6日、分かった。エースで4番と投打で注目される藤嶋を中日は投手として高評価。中田宗男スカウト部長は「チャンスがあればほしい。4位、5位、6位に残っていたら。(指名は)いくつもり」と明かした。チーム方針として指名は4~5人程度だが、その枠を超えてでも地元の有力選手の獲得に動く。

 藤嶋は今夏、右肘の違和感を抱えながらの投球で力を出し切れず、甲子園ベスト16で敗退。しかし、高校日本代表として参加したU18アジア選手権(台湾)ではインドネシア戦で5回パーフェクト投球を披露。藤嶋本人は「プロでは投手1本で勝負したい」と心に決めた。中田スカウト部長も「本質的に投手向き。体に力がある。持っている力は相当」と将来性を高く買う。

 チームは19年ぶりの最下位に沈み、再建に向け戦力を整える。1位候補には創価大・田中や明大・柳ら即戦力投手が挙がり投手中心のドラフト戦略が行われる見通し。しかし、数年後を見越した逸材も必要。地元を背負う藤嶋が将来の投手王国を担う1人になるかもしれない。

 ◆藤嶋健人(ふじしま・けんと)1998年(平10)5月8日、愛知県豊橋市生まれ。東邦1年夏に主戦格として甲子園に出場、初戦の日南学園(宮崎)に勝利。77年準優勝時の坂本佳一にちなみ「バンビの再来」と騒がれた。今春センバツは2回戦敗退。今夏は初戦・北陸(石川)戦で本塁打、三塁打、二塁打2本の“サイクル超え”。3回戦・聖光学院(福島)戦で敗退。最速146キロ、高校通算本塁打49本。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。