阪神ドラフト4位望月がフェニックス・リーグの巨人戦に先発。7回5安打2失点に抑える好投をみせた。7回の投球中に打球が直撃するアクシデント。それでもこの回を最後まで投げきり、チームを勝利に導いた。

 「痛みはベンチに戻ってから気付きました。痛みより捕っていたらゲッツーだったという思いが強かったです」

 6回まで最速150キロの直球を主体に、巨人打線を圧倒。大器の片りんをみせつけていた。だが、7回に試練が訪れる。1死一、二塁で代打坂口の打球が右手のひらに直撃。中前打となり満塁のピンチとなったところで、マウンドにトレーナーも含めた輪ができた。投球練習を1球行って投げられることをアピールし、続投が決定。直後に川相に2点適時打を浴びたが、後続から2三振を奪い、最大のピンチを脱してみせた。投手の生命線である右手を痛めても投げる姿は、打球を止めようと右手に当てた後も続投した広島黒田のおとこ気をほうふつとさせた。

 幸い大事には至らず「右手母指球の打撲」と診断され、次回以降の登板には影響はなさそうだ。それでも、ルーキー右腕がこの日見せた負けん気の強さは、一流の投手となる上で大きな資質であることは間違いない。【梶本長之】