現役を引退する広島黒田博樹投手(41)の背番号15が「永久欠番」となることが決まった日。助っ人も「永久のカープ愛」を誓い、帰国の途に就いた。先発・中継ぎとフル回転した広島ブレイディン・ヘーゲンズ投手(27)が30日、米国に向けて広島を離れた。日本シリーズ敗退から一夜明け、広島駅で取材に応じ、熱いカープ愛を訴えた。

 マツダスタジアムで激闘が繰り広げられた29日夜の日本シリーズ第6戦から一夜明け。ヘーゲンズが婚約者のターシャさんを伴って広島駅に姿を見せた。

 「興奮が冷めないよ。日本シリーズではファンや我々の望む結果にはならなかったが本当に素晴らしいシーズンだったと思う。25年ぶりのリーグ優勝ということを聞いて感動し、興奮していたよ」

 言葉を選び、にこやかに話した。前日の第6戦では2点ビハインドの5回表に登板。4番中田に四球を与えたが続く近藤を併殺打に切り、ほえた。第3戦では先発黒田が足のつりを訴えた直後の6回2死で緊急登板。中田を三ゴロに切った。2試合で無失点と、頂上決戦でも力を発揮した。

 新加入だった今季は先発、中継ぎの両方で登板。5月7日DeNA戦(マツダスタジアム)で先発黒田の後を受け、5回の1イニングを無安打無失点に抑えた。その後、打線の奮起があって来日初勝利をマーク。最終的に50試合に登板して7勝5敗、24ホールドポイント、防御率2・92とリーグ優勝に貢献した。

 チームが残留オファーを出すのは決定的だ。今季限りで引退する黒田の穴を埋める一員としても期待される。そんな見方にヘーゲンズは笑顔で答えた。

 「黒田さんの存在は大き過ぎて自分がその穴を埋めるなんてことは言えないよ。契約は交渉事でこれから。でも自分の中ではカープに戻ってくること以外、考えられない。カープは温かいファンに支えられた素晴らしいチームだからね」

 連覇、そして日本一へ。来季、カープ愛に目覚めた右腕の存在は大きい。【編集委員・高原寿夫】