「アンパンマン」の「キン肉マン」化が進む!? 広島松山竜平外野手(31)が10月31日、早くも来季へ向けて始動した。11月3日まで与えられている休養を返上し、マツダスタジアムで筋力トレーニングを行った。今季15試合で4番を務めた大砲が筋力強化で、本塁打量産を誓った。

 その目は早くも来季を見つめていた。松山は日本一を逃した悔しさを糧に、休日を返上。来季へ向けた強い決意は表情や言葉ににじむ。「来年1年間スタメンとして出たい。今年悔しい思いをしたので、主軸を張れるようにレベルアップしたい」。「アンパンマン」の愛称で知られる親しみやすさは薄らぎ、リングに上がる「キン肉マン」のような厳しさがあった。

 今季103試合に出場し、4番としても15試合に出場。3年ぶりに2桁本塁打を記録した。日本シリーズは5試合に先発出場。15打数3安打、1本塁打で打率2割に終わった。10月25日の第3戦はシリーズの流れを変える守備のミスもあった。

 プレーでの悔しさはプレーで晴らすしかない。チームは前日10月30日から11月3日まで5日間、休養が与えられていたが「1日で十分。来年は始まっている」とわずか1日の休養で再始動。この日はバットを握らず、筋力トレーニングを中心に約2時間体を動かした。

 シーズン中は「筋肉が硬くなってケガにつながる」という理由で避けてきた筋力トレーニングを今季は継続してやってきた。その結果1年ケガなく、1度も2軍に落ちなかった。丸々とした体は、気づけば胸板が目立つ体つきとなった。「大きくするというよりも、しっかり強くする。飛距離アップを考えている。今年久しぶりに2桁本塁打を打ったけど、まだまだ自分の中では足りない。まだまだ打てると思う」。オフはさらなる「キン肉マン」化を図る。

 25年ぶり優勝も、チームは長距離砲を欠く。1発長打を秘めた松山のパワーは大きな魅力。来年32歳も、若手にも負けていられない。来週にも始まる秋季キャンプにも参加する。「練習でしっかり動かしていたい。ベテランみたいな扱いは嫌なので」とキッパリ。筋力アップで定位置奪取、そして中軸確保を目指す。