西武岸孝之投手(31)が2日、昨年取得した海外フリーエージェント(FA)権の行使を表明した。西武プリンスドームで会見し、「この世界で10年やってきて、1人の野球人として他球団の評価を聞いてみたいと思った。来月で32歳というのもある。シーズンが終わってからずっと考えて、(10月)24日くらいに決めました」と、今後の野球人生を考え、悩んだ末の決断であることを明かした。

 西武との話し合いの中では、チームにとって必要な戦力と伝えられた。「育てていただいて感謝していますし、愛着ももちろんある」と恩義を強く感じながらも、自身への評価を知りたい気持ちが上回った。海外移籍の希望はなく、国内球団からのオファーを待つが「移籍を前提とした形ではない」と、残留も選択肢であることを強調した。

 交渉解禁は11日。地元宮城が本拠の楽天星野副会長は、早くも獲得に乗り出すことを明言したが「(他球団から)お話をいただけるのであれば、しっかりと聞いた上で考えたい」とした。今後の交渉に向けて「どれだけ必要と思ってくださるかだと思います。どういう選択をしたとしても、後悔だけはしないようにしたい」と権利行使への覚悟をにじませた。【佐竹実】