あるぞ、「3番北條」! 阪神北條史也内野手(22)が、来季3番打者を任される可能性が浮上だ。金本知憲監督(48)が「3番を打つ力をつけてくるかもしれない」と進化に期待。チームは今季、3番に13人起用するなど主軸を固定できなかったが、成長著しい背番号2が大役を担う可能性を秘めている。

 金本監督が若虎の1人に3番打者の可能性を見ていた。「来季は3番高山か?」。そう問われると、ニヤリと笑みを浮かべて北條の名前を出した。

 金本監督 そこはまだ分からんよ。北條だって、3番を打つ力をつけてくるかもしれない。一冬越したら。

 突如明かした「3番北條構想」。全ては背番号2の著しい成長からくるものだ。指揮官は言葉を続けた。

 金本監督 シーズンが終わり、内容やバッティングの形が一番伸びている感じがする。グッときている。打ち方も良くなっている。打球の飛距離もね。北條は吸収が早いから、ドンドン、次のステージにいける。生意気だけどね。俺とよう似ている。

 指揮官は大きな期待の表れとともに、猛スピードで成長する北條を高く評価。その期待の大きさは、6日の練習からもうかがえた。通常フリー打撃は4分間×3セットだが、指揮官の指示で5セットに増加。さらに、打撃練習中に一塁側のベンチ前で20分間の個別指導。スイング時に右脇が空いてしまう癖を指摘。右肘をたたんで打つように矯正した。

 チームは今季、3番打者を固定できなかった。開幕3番のヘイグは打撃不振で2軍落ち。終盤に高山が任されたが、1年で13人も入れ替わる状況だった。FAで糸井獲得となれば、状況は変わるだろうが、今季122試合出場で打率2割7分3厘、5本塁打の北條が成長の歩みを止めなければ、候補の1人になる可能性がある。金本監督は「(本塁打も)12、13本は打てる。将来的には15から20本はいけると思う。(高山と)2人とも」とも語った。

 金本監督の言葉を伝え聞き、北條はさらに表情を引き締めた。

 北條 将来は3番(を打ちたい)と思っていましたが(今は)まだまだ全然ダメなので。これからです。監督に言われたことが意識せずにできるまで、頑張りたい。

 金本阪神反攻の2年目。チルドレンの有望株が、猛虎を背負って立つかもしれない。【梶本長之】