球界の老舗球団が、最先端の小型無人機「ドローン」の導入に踏み切った。10日、巨人の秋季キャンプ第2クールがスタート。「DJI社」とタッグを組み、カメラ内蔵のドローンによって、サンマリンスタジアム宮崎での練習が空撮された。映像はリアルタイムで球団の公式フェイスブックから、ライブ配信。来春キャンプで本格導入される予定で、将来的には守備陣形の空撮など、戦術にも生かせる可能性を秘める。

 巨人の練習開始と同時に「ブーン」と音を立てながら、小型無人機「ドローン」がグラウンド上空を飛んだ。内蔵されたカメラで選手の練習風景を撮影。リアルタイムで球団公式フェイスブックから、配信された。他球団でも、過去にドローンを使った演出などはあるが、練習映像がライブ配信されるのは球界初とみられ、来春キャンプで本格導入する。

 世界に向け、「GIANTS」をアピールする。球団関係者は「見たことのない映像を見てもらいたいですし、巨人を世界にアピールするチャンス」と期待を込めた。宮崎から遠方のファンにとっても、ライブで“練習見学”が可能となる。練習の空き時間に、ドローンの操縦を教わった高橋監督は「(操縦は)興味本位でね。いいと思います」と後押しした。

 可能性は大きく広がる。この日は権利を取得した上で球場で使用。打撃練習時などは打球直撃の危険性から、現状で使用は禁止だが、ライブ配信用だけでなく、将来的には守備陣形の空撮など、野球の戦術にも生かせる可能性を秘める。最先端の技術を駆使し、ファンサービスも、チームも、一新する。【久保賢吾】

 ◆球界とドローン 楽天が14年シーズンに、試合前のオープニングムービーを撮影し、大型ビジョンで流した。最近では天然芝が完成した際に空撮。日本ハムは、今季本拠地開幕戦で演出として、照明をつけ「空飛ぶ光」として使用。また、阪神ゴメスは14年、甲子園での試合前練習中に許可なく飛ばし、大目玉。他競技では、ラグビー日本代表がエディー・ジャパンのときに導入。実戦形式の練習を空撮した映像を分析に使った。