岸が抜けた穴を埋める-。西武菊池雄星が23日、ファン感謝イベント終了後に契約更改交渉に臨み、4500万円増の推定1億円でサインした。8年目の来季へ「来年が一番大事な年になる。もう1度強いライオンズをつくる、新しい歴史をつくる気持ちで盛り上げていきたい」と強い覚悟を示した。

 投手陣の柱だった岸が楽天に移籍。今季12勝を挙げた左腕にエース継承の期待がかかるが、今年は「悔しさしかない」と言い切った。故障離脱もあり「迷惑をかけましたし、まだまだ課題の方が多い。『あいつが投げる試合は負けられない』とみんなに思ってもらえるのがエース。2年、3年と結果を出し続けて、初めて認めてもらえる」と、表情を引き締めた。

 自覚があるからこそ、憧れの背中が担ってきた役割を目標とした。「僕や(高橋)光成、多和田、若いメンバーが10勝以上できれば優勝も見えてくる。若手の手本になれるように、お互いを高めていきたい」と力を込めた。

 岸との投げ合いを楽しみとしながらも「負けてうれしい相手はいない。勝つしかないです」。契約更改後もウエートトレーニングで汗を流した菊池。大台を突破した男は、確かな自覚を胸に、勝負の1年に臨む。【佐竹実】