中日岩瀬仁紀投手(42)が退路を断った。24日、現状維持の年俸5000万円で契約更改。球界最年長になる来季に向けて「白黒はっきりつける」と進退に言及した。条件は1軍での活躍。ダメなら引退-。厳しい条件を自らに突きつけ、完全復活への覚悟を示した。(金額は推定)

 岩瀬の言葉の1つ1つが重かった。「引退」の2文字を受け止めながら前に進む覚悟が見えた。昨年は初めての登板ゼロ。復活をかけた今季は防御率6点台。「本来なら身を引かないといけない成績」。それが年俸キープでの現役続行…。意味は分かっていた。

 「結果がすべての世界ですから。結果の線引きは難しいが、ある程度1軍で数字が伴ってこないと。そういった意味で、白黒はっきりつけたい。1年でも長くとは考えていない」

 世代交代は一気に進んでいる。1年前には山本昌ら名球会選手4人、元エース川上らベテランがごっそり抜けたが、1軍登板なしの岩瀬には道が残された。その状況下で「今季ダメなら引退」の思いは昨年も持っていた。戦線復帰はできた。ただ、思うような結果は残せなかった。それでも岩瀬は現役続行を選んだ。シーズン終盤に得た感触に「かけた」と表現した。

 「昨年とは雲泥の差。今年(のオフ)はどうやって1軍レベルで通用するかのところで戦っている。1年間通して1軍で通用する球を投げられるように考えている」と説明した。オフは肩を休まず動かし、好感触を維持している。

 通算402セーブを誇る、かつての絶対的守護神も2年間セーブなし。クローザーへのこだわりも否定した。「正直、なくなった。とにかく1軍にいて、役に立つこと。守るものはない。攻めるだけ。ある意味、吹っ切れている」。年齢も実績も関係ない。左腕1本で勝負し、結果をすべて受け止めることを決めた。【柏原誠】