ソフトバンク中村晃外野手(27)が3日、さらに「いやらしい打者」へ進化することを誓った。この日、福岡・粕屋町のイオンモール福岡でトークショーを行った。今年1年を漢字1文字の「進」で表し、「今年は全試合出場という目標をひとつ達成した。自分のやっている打撃も、ひとつ進んでいる」と理由を明かした。

 今季は長打と出塁率を求めた。本塁打7本、出塁率4割1分6厘はいずれも自己最高。「今季後半の打ち方は良かったのでそれを続けたい。引っ張っての本塁打はいらない。中堅への本塁打を打ちたい」。今季の7本はすべて右翼方向。3年連続で途切れてしまった打率3割にも来季再び挑戦するが、センター返しでの飛距離アップを狙う。

 さらに「15個くらいは走れる。いけると思う」と15盗塁も目指す。今季は6盗塁、14年の10盗塁が過去最多。だが、クライマックスシリーズで二塁走者福田と一塁走者の中村晃が重盗を決めるなど、走塁のセンスは高い。「走ると相手に思わせるだけで、野手は慌ててミスが出てくる」。今季日本一を奪われた日本ハムには揺さぶりを含めた機動力にもやられた。高い出塁率に足が加われば、相手にとっては何ともいやらしい打者だ。走者としても相手投手にプレッシャーをかけるつもりで「(体が)万全ならもっと走れる」。今季はプロ9年目で全143試合に初めて出場した。レギュラー5年目の来季、さらに進化する。【石橋隆雄】