中日杉山翔大捕手(25)が背番号27どりに意欲を示した。8月に解任された谷繁監督が現役時代からつけた番号。「中日イコール谷繁さんイコール27番という感じ。必然的に27番をとれば正捕手になる。意識する数字です」と語った。25日はイオンモールナゴヤドーム前で初の単独トークショーを行った。

 他球団でも古くから名捕手に与えられてきた27番。中日では来季、71年ぶりに空き番になる予定。45番を背負う杉山を含め、捕手陣による争奪レースになるのは自然の流れだった。

 谷繁前監督がまだ選手兼任だった昨季、3年目で1軍デビューを果たすと、ポスト谷繁として急成長した。「谷繁さんには何ごとにおいても準備が大事だとずっと言われてきた。今年はそれがよく分かった1年。谷繁さんがいなくても、どれだけ意識できるか。教わったことを形にできれば」。濃密な時間をともにして、偉大さを間近で見てきただけに思いは強い。

 今季はチーム最多104試合出場。8月以降は桂の故障もあり正捕手に固定された。ライバルたちを1歩リードした状況だが油断はまるでない。今秋に痛めた左太もも痛は完治したが春季キャンプに向けた準備に集中している。

 「27番にふさわしいのは勝てる捕手。勝って、信頼されてナンボ。正捕手で優勝して(変更)ならうれしいですね」。自他ともに認める扇の要になれば、栄光の背番号が待っている。【柏原誠】

 ◆中日の捕手事情 今季は杉山が104試合、86先発ともにトップ。盗塁阻止率はリーグ3位の3割2分7厘。打率2割6分とバットが売りで小技や走力も備える。2年目を迎える木下は投打とも評価が高く対抗馬か。守備力が高い松井雅にも食い込む力がある。最年長32歳の武山も脱・2番捕手に意欲的。昨年から杉山と併用されてきた桂は左膝手術で出遅れる。