阪神金本知憲監督が就任2年目にかける思いを語った。

 -昨季終了後、自らに力不足という言葉を使った

 金本監督 結果がすべてですから。Bクラスになったわけですから。

 -サインの出し方など采配で反省があったのか

 金本監督 カウントを整えるのを待ち過ぎたり、外されるのを警戒したり、読み過ぎたのはあった。もっと細かくサインを出したかったけど、ついてこれない選手もいた。厳しく、「ついてこれないヤツは知らんぞ」という方が良かったのかな、という反省もある。

 -自らに対し、変えたい点、変えない点はどこか

 金本監督 変えていきたいところは、慎重になり過ぎたことや万全を期そうとし過ぎたこと。采配では怖がらず、整うのを待つのではなく、ドンドン、仕掛けていく。変えないところは、ブレずに選手を鍛えて、育てることは変わらずやっていこう、と思う。

 -キャンベルはデータ的に本塁打が少ないが

 金本監督 今はなかなか(大砲は)いないよ。

 -長打が課題だが、つなぎの攻撃になるのでは

 金本監督 長打はいるけど、本塁打はなかなか出ないもの。レギュラーでも20打席で1本ぐらい。30本打つ選手でも。いくらホームランバッターをそろえても、ほとんどヒット。本塁打率はものすごい低いから。

 -4番を任せる

 金本監督 候補だ。4番を打つ力をつけてくれれば、助かる。

 -他の4番候補は

 金本監督 (福留)孝介に、原口の調子を見て。あのしぶとさを見るとね。育てていかないといけない。

 -選手寿命を考えれば、福留は一塁に転向した方がいいという声もあるが

 金本監督 彼は外野にこだわりを持っているから。その方が、原口がキャッチャーをできない場合に、ファーストという手もある。

 -福留の思いを受け止めた

 金本監督 おれもできれば、外野をやってほしかった。できるだけ。やれるところまで。

 -なぜそう思うのか

 金本監督 一塁が空くでしょ。原口がキャッチャーできたら、一塁が競争になる。そこに大きな外国人選手が取れるかもしれない。

 -追加の補強も考えているのか

 金本監督 もちろん。外国人選手はフタを開けてみないと、分からないから。手は打っておかないと。

 -一塁なら候補も多い

  金本監督 サードは守りがある。ファーストの方が長距離砲は数多くいる。

 -即戦力投手ではなく大山指名に踏み切ったのは

 金本監督 広島も菊池や丸、鈴木誠也…、野手を上位で取り始めた。「チーム作りは野手がいないと無理」ということを、カープの人が言っていた。目先なら投手だが、タイガースは鳥谷以来、(野手が)出ていない。そこは僕の背負った大きな十字架ですよ。

 -即戦力投手をとれば、手っ取り早く勝てるイメージがあるが

 金本監督 それには限界がある。最低、3~5年後を見ないと。伊藤隼太以外、過去は毎年投手を取ってきた。でも投手は野手を育てることはできない。野手は投手を育てることができる。俺たちはよく教育されたものだ。「打って、先発に勝ち星をつけてやれ。しっかり守ってやれ」と。

 -確かに投手が野手を育てるとは聞かない

 金本監督 まず言わない。

 -貧打で負けたら…

 金本監督 育たないよね。気分も良くないし。野手を強化しないと。数字もセ・リーグで最低打率でしょ。ホームランも盗塁も。この現状をどうするの? カープだって、ドラフト(制度が)変わって、優勝するまで9年かかっているから。