阪神高山俊外野手(23)が6日、故郷の千葉・船橋市から「特別功労表彰」を受け、市役所での授与式に出席した。地元では、金本知憲監督(48)も現役時代に使用した酸素カプセルを使って効率的な筋力トレーニングを実践。疲労で成績を落とした時期もあった昨季の教訓を生かし、2年目のジンクスを打ち破る。

 24歳の年男を迎える今季。故郷・船橋でトレーニングを続ける高山が、新たな相棒を使用していた。トレーニング後に酸素カプセルを利用していることを明かした。

 「プロになっていろんな知識も増えましたし、そういうところからちょっとと思いまして」

 初めてプロ野球で戦った昨季、6月に疲労から打撃不振に陥った。最終的に新人王を獲得したが、シーズン後も6月の不調の反省が口を突いた。2年目のジンクスとも言われる今季は、その教訓とも向き合って戦う。酸素には乳酸などの疲労物質を分解・除去する働きがあり、酸素をより多く吸収できる酸素カプセルを使用することで、疲労や筋肉痛を軽減する効果が期待できるのだ。

 この酸素カプセルを球界でいち早く導入したのが現役時代の金本監督だった。阪神にFA移籍した際に購入。1492試合連続フルイニング出場という大記録にも役立てた。高山はシーズン中に酸素カプセルを継続して使うかは未定としたが、現在行っている筋力トレーニングには、カプセル効果が表れているようだ。

 「シーズン終わってからに比べれば、大きくなっているんじゃないかなと思います。(体重も)キャンプが終わってからは1、2キロ増えています。1人でやっているので時間も有効に使えますし、元旦以外はトレーニングしていますね」

 この日行われた「船橋市特別功労表彰」の授与式では、松戸徹市長(62)から「船橋市の学童たちに夢や希望を与えた」と激励された。さらに、船橋が日本に誇る非公認キャラクターのふなっしーからも、市長を通してオフィシャルグッズが進呈された。故郷の期待を背負ったニュー高山が新伝説を作る。【梶本長之】

 ◆船橋市 千葉県北西部に位置。人口62万7675人(16年12月1日現在)は、千葉市に次いで同県2位。面積85・62平方キロメートル。南部には商業施設や工場が立ち並び、北部には農地が広がり米やニンジン、梨などを中心に栽培されている。中山競馬場、船橋オートレース場がある。松戸徹市長。

<酸素カプセルを使った主なスポーツ選手>

 ◆ベッカム(サッカー)02年4月の欧州CLで左足第2中足骨を骨折。イングランド代表として同年W杯日韓大会出場が危ぶまれたが、酸素カプセルで治療して出場を決めた。

 ◆井岡一翔(ボクシング)10年4月のライトフライ級10回戦で、ヘリ・アモルに判定勝ちした際、控室に酸素カプセルを設置。疲労回復のため愛用していた。

 ◆福永祐一(JRA騎手)16年12月3日に阪神競馬場で落馬し、右鎖骨を骨折。電気治療のほか酸素カプセルも使い、約2週間という早期復帰を果たした。