オリックスの新人合同自主トレが10日、思わぬサプライズから始まった。ほっともっと神戸での練習と、マーリンズ・イチロー外野手の自主トレが重複。ドラフト1位の山岡泰輔投手(21=東京ガス)も驚きながら開幕ローテ奪取へのスタートを切った。

 「テレビでしか見たことない選手。隣で練習しているのを見て、ファン目線で単純にすごいなと思った」

 オリックス新人が球団OBであるイチローにあいさつするのは毎年恒例。だが合同自主トレの初日に“合体”するのは珍しい。しかも福良監督ら首脳陣、フロント、スカウトが視察で勢ぞろいしていた。

 そんな特別な緊張感が漂う練習でも、山岡は軽快に動いた。まずは順調な1歩。2月春季キャンプは1軍スタートが有力ながら、気は抜けない。福良監督は「調子が上がらないと(2軍スタートも)ある。無理してけがをさせたくないから」と明かした。月末までの自主トレの内容しだいで後れを取る可能性がある。

 「キャンプまでに直球の切れを良くしたい。今できるアピールをして、開幕からいけるように準備したい」と山岡。初日にスーパースターとの遭遇でプロの空気を感じた。即戦力右腕がここから少しずつギアを上げていく。【大池和幸】