一部だけの公開に、本気度が表れていた。DeNA筒香嘉智外野手(25)が17日、大阪府内で自主トレを公開。しかし、午後から行われた練習で報道陣に披露したのは遠投と、正面からのティー打撃10スイングのみ。室内練習場の密室にこもり、打撃音だけを外に響かせた。室外の報道陣の会話が大きくなると、関係者から注意が入った。1つ1つに集中するため。それだけに中前、逆方向を意識した打球は確実に球を捉えていた。

 12月初旬から後輩の高城、乙坂と自主トレを行い「野球がうまくなりたい。それだけです」と突き詰めながら新年を迎えた。19年ぶりの優勝を狙うシーズン前のWBCに向けて「世界一を期待されて選手もスタッフも目指すことになる。普段野球を見ない人がテレビをつけて興味を持ってもらえるプレー、全国のみなさんが力になるプレーをしたい」と宣言した。

 自主トレの1日は決まった掛け声から始まる。朝、宿舎のエレベーター前で3人が集合すると「自分たちの人生の使命、目的に向かってパワフルな1日にしよう!」と声を掛け合う。日本球界屈指のスラッガーへの期待は、世界相手に放つパワフルなアーチだろう。「ファンの方が何を楽しみに球場へ足を運ぶのか、自分自身考えていきたい」。集中力を高めて磨いだ牙で、日本に歓喜をもたらす。【栗田成芳】