【ピオリア(米アリゾナ州)28日(日本時間29日)=本間翼】アリゾナにほえろ! 日本ハム栗山英樹監督(55)が、今キャンプに帯同する若手選手の中から「コヨーテ」が出現することを期待した。この日、キャンプ地のアリゾナへ到着。同州をはじめ、北米に生息する生き物「コヨーテ」の名前を挙げ、どう猛に、相手に食らいつく気概を求めた。

 2年目のアリゾナキャンプだが、栗山監督にはまだ“未知との遭遇”が残されていた。同州をはじめ、北米大陸に生息するコヨーテ。昨年の滞在中に姿を見た選手もいたが、指揮官の前には現れず。栗山町の自宅では野生動物と対面することも多く「見たいよね」と熱望しながら、その姿勢を戦う選手たちに重ね「若くてメチャクチャするような選手が出てきてくれないかな。(相手に)どう猛にくらいつくというね。今年は強さが必要」。チーム内にも“出現”することを求めた。

 コヨーテはオオカミに似たイヌ科の動物で、ウサギや羊を襲うほか、群れをつくり、さらに大きな獲物を狙うこともある。今年のアリゾナキャンプは、レギュラーをつかんでいない若手が中心。特に外野手争いは激しく、大田や岡、近藤と、昨季実績を残した西川らがしのぎを削る。同監督は、日本一となった06年の新庄、稲葉、森本、自身が就任1年目でリーグ制覇した糸井、陽岱鋼、中田の外野陣を例に出し、若手が野性味を出して一皮むけ、群れをなして勇猛果敢に戦う姿を期待した。

 今日29日(日本時間30日)からは合同自主トレが行われる予定で、キャンプイン前日の31日(同2月1日)には、全体ミーティングも開かれる。指揮官は「(選手たちに)ガムシャラにいくぞ、と言うつもり」と、闘争心をあおるつもりでいる。

 現地では実戦も2~3試合予定。「(すぐに実戦を)できるようになっているメンバーしか連れてきていない」。個々の争いで鍛え合った先に、2連覇がある。鋭い目をしたコヨーテたちが、この春、日本に上陸する。