不調? 毎年恒例のお約束!? 日本ハム中田翔内野手(27)が1日、沖縄・国頭キャンプでの初日を「モヤモヤ」でスタートした。フリー打撃では打撃投手、マシン合わせて52スイングで柵越えは1本。「毎回初日はうまくいかん」のぼやきも出たが、3月7日開幕のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、侍ジャパンの主軸として気合をみなぎらせた。

 小雨が降ったこの日の国頭の空のように、中田の心も晴れなかった。キャンプ初日、午後のフリー打撃。バットを振り続け、打撃投手に対して27スイングでアーチは1発。25スイングしたマシン相手には打球が柵を越えず、思わず「打てん」と、つぶやいた。すぐさまロングティーも敢行。「全然飛ばない。(重さ)1キロくらいのボールを打ってるかと思ったわ」と不満げだった。

 「毎回初日はうまくいかんよね、俺」。昨年も米アリゾナでのキャンプで35スイングで柵越え3本に不満を漏らしていた。1月のハワイでの自主トレで打ち込み好感触を得ており「“スコ飛び”だった。150メートルくらい。ここ(国頭)だと全部場外」と、悔しそうに話す。帰国して約2週間、走り込みやウエートトレーニングに時間を費やし、バットを振る環境も時間もなかった。それでも「第1クール明けくらいには自分の感覚で思った通りにスイングできればいいと思っている」と焦りはない。

 モヤモヤは守備でも募っていた。午前のノック中、何度かボールがグラブからこぼれて苦笑いする場面もあった。昨季以来、久しぶりに使用したグラブは「パサパサになってた」と明かす。久しぶりの土の上でのノックには「動きもタジタジだった。怖かったー」と反省。「WBCでエラーなんかしようもんならやばいよね」と気を引き締めた。

 世界で戦うための準備に、あえて国内調整を選んだ。その理由を「(アリゾナには)ウォシュレットがない」と冗談を交えながらも、「こっち(国頭)の方が打ち込めると思ったから」。キャンプ中の調整プランは描いている。侍ジャパンの主軸のバットは、これから快音の連続となるはずだ。【保坂果那】