プロ野球のキャンプ16日目! 担当記者が選んだ「今日の一番」を紹介します。



中日ロンドン誕生日は最愛母の祝福待つ

 中日ホルヘ・ロンドン投手(29=パイレーツ)が16日、誕生日を迎え一番に母からのプレゼントを心待ちにした。

 母国ベネズエラに住む母からプレゼントが届く予定。「まだ届いてないから何かは分からないんだ」とワクワクしていた。北谷球場を後にする際は友利投手コーチから「ハッピーバースデー」と握手を求められ祝福された。

 17日のシート打撃で、初の実戦形式での登板が予定されている。「一生懸命投げたい。直球もそうだけど、変化球も投げて全体を見てほしい」と意気込んだ。【中日担当 宮崎えり子】

キャッチボールする中日ロンドン(撮影・今中雄樹)
キャッチボールする中日ロンドン(撮影・今中雄樹)

阪神秋山4回0封に金本監督もニッコリ

 阪神秋山拓巳投手(25)が16日、韓国サムスンとの練習試合(宜野座)に2番手で登板。

 4回1安打無失点と見事な投球をみせた。

 前回11日紅白戦でも好投しており、金本知憲監督(48)も「先発5番手、6番手には近くなっている。去年の秋からずっといい。自信があるから落ち着いているように見えるんでしょう。経験もある」と高評価。いまだ定まっていない先発ローテーション5、6番手争いで、頭一つ抜け出した。【阪神担当 梶本長之】

3回から登板し4イニングを無失点に抑える秋山(撮影・清水貴仁)
3回から登板し4イニングを無失点に抑える秋山(撮影・清水貴仁)

広島野間、最後は気持ち50分間の特守

 最後は気持ちで動いていた。広島3年目の野間峻祥外野手(24)の声が、グラウンドに響きわたった。

 全体練習後の個別メニュー。外野特守に1人で臨んだ。河田外野守備走塁コーチと1対1の“勝負”。時間は約50分にも及んだ。前に後ろに、右に左に。フライにライナーも織り交ざった。「打つのもしんどいと思いますし、本当にありがたいです。でも本当にきつかったです」。膝に手をやり、野間が汗をぬぐった。

 河田コーチは特別な思いがあった。「俺は全然。何年もやってれば大丈夫。あいつ、俺の若いときにそっくりなんだよね。肩あって足あって。でも変なとこに投げて怒られて。実戦守備でポロリもするし。本当にもうね」。午前中の実戦守備で野間は落球するボーンヘッドを犯していた。河田コーチは痛いほど気持ちが分かった。だから、力が入る。もうひとこえが、もう一声にもなった。目を切る打球か、目を切らない打球か。慌てる必要があるのか、余裕があるのか…。野間のポテンシャルは誰もが認めるところなのだ。

 野間だって分かっている。だから愛のノックに、足がフラフラになっても最後までくらいついた。出来ない自分への怒りで、グラブを投げたくもなった。「まだまだ本当にへたくそなんで練習しないと。僕は人が捕れないところを捕れないと意味がない。外野なので味方に安心感も与えないといけない。あいつのところに行ったから、大丈夫だって。そう思われないといけない」。打撃も守備も走塁も。まだまだノビしろは満載で、伸びてもらわないと困る存在。殻を破る。【広島担当=池本泰尚】


オリックス3位岡崎、紅白戦で緊張MAX

 オリックス春季キャンプの16日、チーム内で一番緊張したのはドラフト3位ルーキー岡崎大輔内野手(18=花咲徳栄)かもしれない。2軍に在籍ながら1、2軍合同の紅白戦で実戦デビュー。4回に代走で出場すると、その裏には三塁守備に就いた。1度の守備機会で邪飛を無難に捕球した。「シートノックの時から、本当にめちゃくちゃ緊張しました。一塁見たら中島さんやT(-岡田)さんがいるし…。ベンチ入りも初めてだったので、紅白戦とはいえプロ野球の雰囲気を経験できたのはありがたいです。フライもドキドキしながら捕りました」。

 残念ながら打席は回ってこなかったが、高卒ルーキーにとって大きな1歩。今キャンプのテーマ設定について「とにかくけがなく終えたい。また試合に呼んでもらえる機会があればアピールしたい。どんどんいいプレーができるように」と話した。【オリックス担当 大池和幸】


元DeNA久保裕也が楽天テスト合格

 テスト生として楽天のキャンプに参加していた元DeNAの久保裕也投手(36)が16日、沖縄・金武町でのハンファ戦の4回から登板し、1回1安打無失点に抑えて、合格を決めた。

 先頭打者にバント安打を許したが、一塁ゴロの間に走者が二塁に進むと、三振と三盗を狙った走者の盗塁死で、3人で抑えた。

 試合直後は合否の発表は行われず、「とにかく緊張しました。ピッチング練習の時からのどがカラカラだった」と話し、タクシーで球場を後にしていた。

 その後、星野副会長、梨田監督らが会談し、合格が決定。久保は、宿舎に戻る途中で呼び戻された。

 星野副会長からサブグランドで合格を告げられると「内心、今日のできを自分で評価すると厳しいかなと、あきらめていました。本当に涙が出るくらいうれしかったです。2回戦力外になって、野球ができないと思っていたところで、チャンスを頂いて、合格もさせてもらった。チームに恩返しできるように頑張ります」と感激した。

 星野副会長は「あいつの経験とかをアドバイスしてもらいたい。ジャイアンツで抑えをしたこともある。適材適所。期待しています」と言い、梨田監督は「経験も豊富で力になってもらえる。テクニック、うまさを持っている。若い選手の手本になってもらいたい」と期待した。

 久保は3日連続でブルペン入りして、この日を迎えるなど、精力的に投球練習を続けていた。

 「皆さんは期待されていないでしょうけど、いい意味で裏切れるように頑張ります」と締めくくった。

 正式契約は、後日行う予定だ。【NPB担当 前田祐輔】

ハンファとの練習試合で釜田のユニホームを着て力投する楽天テスト生の久保(撮影・野上伸悟)
ハンファとの練習試合で釜田のユニホームを着て力投する楽天テスト生の久保(撮影・野上伸悟)

ロッテ背番「1」清田、「1」軍昇格

 ロッテの一番と言えば、背番号「1」の清田育宏外野手(31)だ。

 昨シーズン中に右ふくらはぎを肉離れした影響で、今年のキャンプは2軍スタートだった。第4クールが始まった16日、細谷とともに満を持して1軍昇格。いつものはつらつとした動きで、精力的に練習を終えた。

 「緊張感のある中で、しっかりと練習できました。明日(17日)は紅白戦もあるので、これから、どんどん状態を上げていきたいです」と明るく話していた。【ロッテ担当 古川真弥】

ロッテ1軍キャンプに合流しダフィー(右)と握手をかわす清田。中央はパラデス(撮影・江口和貴)
ロッテ1軍キャンプに合流しダフィー(右)と握手をかわす清田。中央はパラデス(撮影・江口和貴)

日本ハム新加入エスコバー投球に視線集中

 日本ハムの新外国人、エドウィン・エスコバー投手(24=ダイヤモンドバックス)が16日、沖縄・名護で初めてフリー打撃に登板した。

 栗山英樹監督(55)のほか、コーチ陣、チームメートらが集まり、この日一番の視線を集める中、松本を相手に25球を投げ、安打性の打球は5本。「この時期にしては状態がよかった。全球種でストライクが取れたのでよかった」と振り返っていた。米アリゾナキャンプを終え、12日に初来日したばかりだが「快適に過ごしているよ。もっともっと日本を楽しみたい」と、生活面も順応している。【日本ハム担当 本間翼】

打撃投手で登板するエスコバー。後方は栗山監督(撮影・井上学)
打撃投手で登板するエスコバー。後方は栗山監督(撮影・井上学)

ソフトバンク明石、紅白「11番DH」

 ソフトバンク明石健志内野手(31)が、紅白戦の紅組、白組の両方の「11番指名打者」で出場した。

 12日の守備中に走者と激突し首を痛めた影響で守備にはつかず、打席だけ数をこなすための苦肉の策だった。

 「クリーニング(に出すもの)が今日はいつもの倍でしたよ」。白いユニホームの上に黒いユニホームを着て、打順が来るたびに白、黒と着替えた。「何度着替えたかな…」。間違いなくこの日一番の着替え王だった。

 首の痛みは「重たさはあるけれど、次の紅白戦では守りにもつきたい」と、順調に回復しているようだ。【ソフトバンク担当 石橋隆雄】

11番目の打者として審判欄に表示された明石(撮影・石橋隆雄)
11番目の打者として審判欄に表示された明石(撮影・石橋隆雄)