正捕手バトルの勝敗がキャンプの折り返しを過ぎても見えてこない。1軍キャンプでは岡崎、原口、梅野、坂本がグラウンドの上でバチバチと火花を散らしている。19日の日本ハム戦は攻撃力で勝負。バットを握ってのアピール合戦だった。

 最初に「H」ランプをともしたのは、一塁で出場した原口だ。対外試合で4番起用が続く大砲は、先頭で迎えた2回に追い込まれながらも昨季新人王の高梨が投じた直球をセンターへ運ぶ。9回無死二塁の場面では石川直から「右方向を意識していた。狙って打てて良かった」と、右前打を放ちマルチ安打とした。

 この試合前まで4試合で9打数無安打とヒットがなかった梅野も奮い立った。8番捕手で出場し、3回に左腕上原の初球141キロを逆方向へヒット。金本監督から連日指導を受けている成果が出て「振れるというより、形がいいのかな」とひと安心だ。

 7回からマスクをかぶった坂本も8回にきっちり右前打。打席に立つことのなかった捕手最年長の岡崎もここまで7打数4安打2打点と好調を維持している。

 誰が金本2年目の司令塔にふさわしいのか。矢野作戦兼バッテリーコーチは「総合力だから。プラスアルファ。人より何か1つ優れているものを見せてほしい」と期待した。そして「こいつも使いたい。こいつも使いたいとなってほしいね」。俺を最後まで悩ませろ! 矢野コーチのリクエストに応え、高いレベルの競争が続く。【桝井聡】