「21世紀のワニ男」が自称100マイル(約161キロ)の剛球でセットアッパーに名乗りを上げた。オリックスの新外国人マット・ウエスト投手(28=ドジャース3A)が19日、2軍キャンプでフリー打撃に初登板。朝9時開始と不慣れな時間帯ながら「状態は良かった」と31球を投げ、奥浪と坂本を力強い直球で圧倒した。

 プロ入り後の11年に内野手から転向ながら100マイルも出したと豪語する速球派。この日は最速146キロながら「日本でも100マイルを出したい。こちらのボールが小さく感じるし、時間がたっていけばもっとスピードは出る」と予告した。

 趣味の1つが最大4メートル級のワニのハンティング。エサに鳥を使い、口を開いたところを至近距離から銃で打ち込むという。「アドレナリンがすごく出るんだ。ワニは食べるとチキンの味がする。スープにしてもおいしいよ」とニヤリ。89年からヤクルト、阪神に在籍したラリー・パリッシュはワニを食べることで話題になった。こちらは新世紀のワニ男だ。

 キャンプ1軍スタートも第1クールに右太もも裏を痛めて別メニューだった。現在は完全に回復。フリー打撃を視察した田口2軍監督は「球は強いし、制球を乱して自滅するタイプじゃない。もっとスピードも上がってくる」と評価した。

 昨年も自称103マイル(165・7キロ)のコーディエが開幕守護神を務めたが、即座にメンタルの弱さを露呈。二の舞いはごめんだが、ハンター魂を持つウエストには「チキン」という言葉は当てはまらないことを期待したい。【大池和幸】

 ◆マット・ウエスト 1988年11月21日、米ヒューストン出身。ベルエアー高を経て07年ドラフト2巡目(全体80位)指名でレンジャーズ入団。主に三塁手だった。投手転向後、14年7月にメジャー初登板。レンジャーズではダルビッシュの同僚だった。メジャー通算5試合登板で0勝0敗、防御率3・86。185センチ、104キロ。右投げ右打ち。家族は妻と1男。