何といっても西武からFAで獲得した岸の存在が大きい。侍ジャパンに招集されている則本とエース級の実力者が2人もいれば、大きな連敗は考えにくい。キャンプも順調で、梨田監督は岸を開幕投手に指名している。岸の場合、1年間続けて活躍し続けるスタミナが課題だが、新天地の地元球団に移籍し、心技体の面で活躍するだけの条件はそろっている。

 地味ではあるが、新人左腕の高梨雄平投手(24=JX-ENEOS)も、使いようによっては戦力として期待できる。キャンプの紅白戦での登板を見たが、小柄ながら球威はある。左のワンポイントとして機能しそうな力は持っている。同じ新人の菅原秀投手(22=大体大)も、キャンプでは奮闘している。2人のルーキーが戦力になれば、弱点だった投手陣の補強はかなりの部分で補えるのではないか。

 打線は大きな上積みこそないが、2年目を迎える茂木、アマダー、ペゲーロが昨年以上の成績を残せるようなら面白い。則本、岸を優勝の大本命ソフトバンクにぶつけて勝ち越せるようなら、大番狂わせの可能性まであると思う。(日刊スポーツ評論家 宮本慎也)