上々の先発デビューだ。ロッテのドラフト1位、佐々木千隼投手(22=桜美林大)が実戦3試合目で初めて先発。中日打線を3回3安打無失点に抑えた。毎回走者は背負ったが、最速146キロの直球でファウルを稼ぎ、得意のシンカーでゴロを打たせた。「0で抑えたかった」という思いを果たし、表情は明るかった。

 取り組みが実を結びつつある。石垣島キャンプを終え、沖縄本島で練習した先月22日。キャッチボール中に英二投手コーチに聞かれた。「投げ始めで、真っすぐ立ってる?」。「はい」。「いや、体が前に突っ込んでるぞ」。感覚とのズレを気付かされた。もともと1球を大事にキャッチボールを行ってきたが、さらに丁寧になった。この日も「納得できる球は2、3球」と自己採点は辛いが、球質は良くなってきている。

 何より、貴重な経験を積んだ。内野安打をのぞく2安打は2ストライクから。「甘い球は打たれる。追い込んでからが課題です」と受け止めた。伊東監督は「(先発争いに)生き残った」。次は、12日DeNA戦で先発予定。開幕ローテ入りへ、1歩1歩、進む。【古川真弥】