意義のある「K」を追い求める。楽天則本昂大投手(26)が、7回1失点で2勝目を挙げた。10奪三振は、19日西武戦(メットライフドーム)に続き2戦連続で2桁K。「ファミスタナイター」と銘打ったロッテ戦で、ゲームのヒーローのような快投を演じた。チームは4連勝。首位独走の気配さえ見えてきた。

 「則本選手、この回、10個目の三振を取りました。おめでとうございます」。Koboパーク宮城に流れる朗らかなアナウンス。それをよそに、則本の表情はさえなかった。グッと唇をかみしめ、ベンチに退いた。7回無死二塁。福浦に抜けたスライダーを捉えられ、この日、初失点を喫した。それまで2度、得点圏に走者を背負ったが、しのいできた。だからこそ、悔しさがこみ上げた。

 前回登板した19日西武戦に続き、2戦連続で10個の三振。それでも、心から喜べなかった。則本にとって、三振とは…。数ではない。昨季まで3年連続で奪三振王に輝くチームのエース。「ここぞっていうところで、三振を取らないと意味がない。究極、試合の流れを変えるような、そういう状況で三振を奪う。そこを自分で操れるようになりたい」。意義のある三振を欲している。

 6回までに9個の三振。自身のテンポアップだけでなく、打線のリズムにも火をつける役割を担っていた。7回までに8点の大量援護。だからこそ、2桁三振の意味を考えた。この日、10個目の「K」は、7回に失点した直後、福浦の次打者ダフィーを空振り三振に仕留めた場面だった。「ある程度は、取りたいところで取れた。でもそれを継続しないと意味がない」と自らを律した。