試合終了30分後の午後10時18分、工藤監督を乗せずにソフトバンクのチームバスが京セラドーム大阪を出発した。就任3年目で初のこと。指揮官は監督室で倉野投手統括コーチと緊急会議を続けた後、10時30分にタクシーで球場を出た。

 この日デーゲームで3位西武が敗れたため、引き分け以上で3位浮上のチャンスだったが、先発摂津が3回6失点と「近鉄」打線にKOされた。同点の2回に2点勝ち越しを許すと、3回には1死満塁からモレルに高めに浮いたスライダーをとらえられ、中堅フェンス直撃の3点適時二塁打を浴びた。摂津は「チームにも迷惑をかけ申し訳ないの一言です」。今季2度目の先発チャンスを生かせなかった。工藤監督は「ブルペンではいいと報告が来ていたが試合で出せなかった。僕らにとっても、本人にとっても残念。次の登板はしっかり考えてから答えを出します」と、2軍での再調整を示唆した。

 これで土曜日は開幕2戦目に先発中田で勝った後4連敗。今日30日は本来中継ぎの寺原が2週連続で先発するなどコマ不足が深刻になっている。この日、ウエスタン・リーグ広島戦(由宇)で大隣が7回2失点と好投。有力候補として名前が挙がりそうだが、やはり和田、武田の2本柱の離脱が大きく響いている。

 この日は「KANSAI CLASSIC 2017」として南海のユニホームを着用したが、今回の縦縞は80年1年だけの短命ユニホーム。その年、最下位に沈んだためだ。着るのは今日30日が最後になるが、このまま弱いイメージで終わらせるわけにはいかない。

 この日からゴールデンウイークに入りスタンドは3万2657人の超満員。三塁側でホークスファンも数多く声援を送っていた。9回には3点を返し、相手の守護神平野を引きずり出して一打同点の場面まで追い上げた。工藤監督は「最終回はいい攻撃が出来た。明日(30日)につながる」と前を向いた。【石橋隆雄】