坂本勇の絶好調ぶりが、周囲に好循環を生んだ。1回2死二塁では、4番阿部が4月12日広島戦以来となる6号先制2ランを放った。坂本勇が打ち取られた直後、ひと息ついた岩貞の直球を「ボール気味だと思いますが上からしっかりたたくことができた」と強振。前日にエース菅野で黒星を喫した嫌な流れを主砲が振り払うと、面白いように巨人打線がアーチを描いた。開幕戦以来の坂本勇-阿部のアベック弾。3年ぶりにクリーンアップが本塁打そろい踏みを決め、阪神岩貞を打ち砕いた。

 前回のクリーンアップの本塁打共演を決めた「5番打者」だった高橋監督は「全然覚えていないです」と笑った。だが「クリーンアップもそうですけど前後も打てばつながって点になるんだなと」と主軸の1発が生みだす波及効果をあらためて実感し、目を細めた。

 首位阪神戦を1勝1敗で終え、明日12日からは広島と3連戦を迎える。坂本勇は「こういう試合が1試合でも多くクリーンアップでできるようにしたい」と誓った。主軸がつくった打線全体の勢いそのまま、敵地に乗り込む。【浜本卓也】

 ▼巨人は3番坂本勇2本、4番阿部、5番マギー、7番長野の5本塁打。巨人の1試合5本塁打以上は14年5月7日DeNA戦以来、3年ぶり。クリーンアップそろい踏みは14年8月15日広島戦で3番坂本、4番阿部、5番高橋由が記録して以来。阪神戦では08年9月20日に3番小笠原、4番ラミレス、5番李承■が打って以来、9年ぶりだ。坂本勇は2本とも右方向への1発。同選手のマルチ本塁打は通算6度目だが、流し打ちで1試合2本はプロ入り初めてだ。

※■は火ヘンに華