ロッテは、先発のエース涌井秀章投手(30)でも負の連鎖を止められなかった。前カードの楽天戦は2試合連続で序盤の被本塁打で主導権を与えたが、この日も同じ流れ。涌井は2回の大田の本塁打をはじめに、3回に2発、4回に1発、5回に2発で合計6被弾。自己最多が1試合3被本塁打だった右腕が、パ・リーグ個人ワースト記録を更新した。

 ドジャースなど大リーグ6球団が視察する前で、自己最悪を2点上回る10失点KOとなった。「立場上、流れが悪い時はしっかりした投球をしないといけない。本塁打をポンポンポンポン打たれた。打たれたのは全部投げミス。狭い、本塁打が出やすい球場を意識し過ぎた。初回にコーナーに決まり過ぎて投球を苦しくした。いつもはもっと大胆にいくのに」。ミスを恐れるあまり、制球を欠いた。

 伊東監督就任後、最多タイの借金15となった。明日14日にも自力V消滅の危機だ。伊東監督は「記憶にないぐらいの屈辱的な負け。ファンに申し訳ない。全体的な弱さが出た。隙だらけでつけ込まれた。これを屈辱として明日からやらないとプロじゃない」。目を真っ赤にして振り返った。

 打線は内野ゴロの間の1点だけ。ダフィーは走塁ミス、細谷は本塁へ悪送球と、走攻守すべてにミスが出た。2日連続で緊急ミーティングを行った伊東監督は「これだけ点を取られても負けは1つだけ。切り替えてやります」と結んだ。【斎藤直樹】

 ▼涌井が6本塁打を浴びて10失点。1試合6被本塁打は、パ・リーグでは過去13人が13度マークした5を上回る新記録となった。プロ野球で被本塁打6以上は、49年川崎(巨人=8)58年田所(国鉄=7)に次いで59年ぶり3人目。またロッテ投手の10失点以上は、昨年4月15日日本ハム戦の古谷(11失点)以来で、涌井にとっては過去3度あった8失点を上回る自己ワーストとなった。