日本ハム谷元圭介投手(32)が、家族の実体験に基づいた社会貢献活動に乗り出すことが15日、発表された。6月6日広島戦から今季終了までの札幌ドーム主催試合で、介護福祉士を招待する「アナたにもんシート」を設置。母が祖父の介護をしており、介護福祉士のサポートに助けられ、同職種の重要性を認識したことがきっかけ。最初の広島戦は背番号にちなんで22組44人。以降は各試合1組2人を「北海道介護福祉士会」登録者の中から抽選で招待する。

 マウンドの姿と同じように、思いを真っすぐに打ち明けた。谷元は、包み隠さなかった。「母がおじいちゃんの介護をしています。体はピンピンしているんだけど…。大変そうなんですけど、介護福祉士の方に助けていただいてます」。ファンを招待する社会貢献活動。「自分と無関係なものにはしたくなかった」と、介護福祉士を対象に考えた。自身のチーム内でのニックネーム「たにもん」から「アナたにもんシート」の設置を決めた。

 大変な仕事であることは、母を通じて理解している。「盛り上がっている球場で楽しんでいただき、活力にしていただけたら」という気持ちはもちろん、「今後、高齢者が増えていく。そのわりに介護福祉士は少ない。少しでもイメージアップになり、世間に(介護福祉士を)広められたらいいな」。社会的に重要度の高い同職種を志す若者が、増加する一助になればという思いもある。

 最初の6月6日広島戦は、背番号「22」にちなんで22組44人。以降は各試合1組2人を抽選で招待する。今後は招待するだけではなく、練習休日やシーズンオフに、自ら福祉施設を訪問したいという希望もある。「サポートする活動の幅を広げて継続していきたいと思っています」。167センチの小さな体に、大きな思いが詰まっている。【本間翼】