小柄なルーキー右腕が、オリックスの連敗ストッパーとなった。ドラフト1位の山岡泰輔投手(21)が7度目登板でプロ初勝利を挙げ、チームの連敗を「9」で止める白星に導いた。

 無の境地に入っていた。武器のスライダーをストライクにどんどん投げ込み、他の球種もうまく分散。3回先頭からは4者連続三振も記録した。6回を2四球で5安打1失点。ワースト6四球と苦しんだ1週前から立て直した。

 「勝ててうれしい。やっとですね。今日は『無』になれていた。割り切って、とにかく投げるだけ。点を取られなかったらやっぱり楽しい」

 4月13日の初登板から6度勝てなかった。好投しても援護がない。責任を背負い込み、投球を崩した。快活な青年から笑顔が消えた。そして、気づいた。行き着いた先とは。「無になることですよ。もう何も考えないことにした」。