ポーカーフェースが身上の西武の先発榎田大樹投手(32)が、ベンチ前で大笑いを見せた。4回、プロ1号2ランを放ち、大きなガッツポーズを決めた山田の姿に「プロに入って、あんなに試合中笑うことはなかった。一生懸命頑張っているので良かったと思います」と後輩の活躍を喜んだ。

プロ入りの際に掲げた目標「先発で2桁勝利」を、8年目でついに達成した。初回、内角を攻めるも微妙なズレに苦しみ4四死球。被安打0ながら押し出しで先制を許した。しかし2回以降、プレートを踏む位置を一塁側へわずか数センチ変え、制球が安定。見事に修正し、5回まで3者凡退に抑えた。4試合ぶりの白星で、初の10勝。お立ち台では「奇跡というか…野手のおかげです」。阪神から移籍後、再び先発を任されるようになり「もう達成できないと思っていた。1回なくした目標だったので、ありがたい。こんなに勝てるとは」としみじみ話した。

炭谷と6月17日中日戦以来のバッテリーを組み、15勝の多和田、12勝の菊池に次ぐ10勝目を挙げた。完投はなく「(自分は)6番手くらいだと思っていた。2人に比べたら、チームの役割は少ないので。でも勝てているので、いいのかな」と謙遜した。【保坂恭子】