早くも輝星フィーバー!? 日本ハムが来年春季キャンプを行う沖縄・国頭村の宮城久和村長(75)が10月31日、ドラフト会議で1位指名した金足農(秋田)の吉田輝星投手(17)のために、ブルペンに客席を新設する太っ腹プランを明かした。沖縄北部の小さな村が、球春への大きな期待に包まれている。

国頭村で始まった日本ハムの秋季キャンプ。歓迎セレモニーで、宮城村長が瞳をキラキラ輝かせた。「今年も夏の甲子園を見ましたけど、金足農の吉田投手は素晴らしい人材」。高校野球の全国選手権で世間の話題をさらった準優勝右腕に触れ、多くの観衆を見込んで「ブルペンが見やすくなるように検討しますよ」と“輝星シート”の設置に前向きな姿勢を示した。

同村の施設は秋季キャンプのほか、2月の春季キャンプでは主に2軍が使用。現在は1軍が拠点とする名護市営球場が改修中で主力組も多く訪れるが、ブルペンは立ち見で見学できるスペースも限られている。

06年2月の紅白戦では、新庄が同施設の球場「第1号本塁打」を記録している。「あの本塁打をはっきりと覚えています」と言う宮城村長は「ダルビッシュ投手や斎藤投手、大谷投手の時もたくさんのファンに来ていただいた。毎年、日本ハムはいい投手を指名しますね。吉田投手のために、また多くの方が見に来ると思います」と経済効果30億円とも言われる大物を心待ちにした。

今年入団した清宮幸太郎内野手(19)に続き、次々とスター選手が入団するチームのために、同村は施設の改修に着手。20年1月には総工費1億円のウエート施設が完成。人口約4900人の村は、早くもお祭りムードだ。【中島宙恵】