阪神が6連敗を喫した。同点の8回、3試合連続登板となったベテラン藤川球児投手(38)が竜打線につかまり、今季初黒星。球宴明けの3試合はいずれも救援投手に黒星がつく敗戦が続いている。同率で並んでいた中日に抜かれ、4位に滑り落ちた。

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あれだけ頑丈だった命綱がぷつぷつと切れていく。重苦しいムードに自慢の必勝リレーまでのみこまれてしまった。同点の8回に暗転した。安定感抜群の藤川が2失点で途中KO。今季最長タイの6連敗が決まった。豊橋の竜党が勝ちどきを上げるなか、矢野監督は険しい表情で言う。「連敗するのは俺の責任」。12年以来、実に7年ぶりの中日戦7連敗を喫して、借金5に膨れ上がってしまった。

負のスパイラルを断ちきれない。またも、悪夢が繰り返された。8回に投入した藤川は本調子ではなかった。後半戦3連投で疲労は蓄積。先頭大島に初球速球を痛打され、右中間二塁打を浴びる。アルモンテに四球を与えたあと、1死を奪ったが阿部に痛打を食らった。一、二塁で、内角低め148キロ速球を強振されると左中間フェンスを直撃。2者の生還を許す、致命的なタイムリー三塁打を浴びて、今季初黒星を喫した。

バスへの引き揚げ際、藤川は責任を背負った。前を向き「(阿部と)勝負するしかなかった。ナイスバッティング。いい勝負をしたいし、チームのために投げたい。そのなかで今日は相手の勝ち。自分のベストボールだったけど相手がうまく打ちました」と脱帽するしかなかった。目標の生涯防御率1点台まで2回2/3に迫っていたが、遠のいた。

複雑な顔つきだったのは矢野監督だ。「3連投させてしまっている。試合展開的にも球児に一番無理させている。どうかなというのはあった。体の方は大丈夫ということだった。球児に助けてもらっている」とかばった。実はこの日は本来の状態でなかったが、志願の登板だった。金村投手コーチは「本人が行く気持ちを出して行ってくれてる。正直、ブルペンの調子は良くなかった」と明かした。大量得点を望めないから、連日の接戦になり、鉄壁の救援陣を毎日のように投入せざるをえない状況だ。

前半戦終了時、救援防御率2・76は12球団トップを誇った。だが、15日中日戦でジョンソンがつかまり、来日初めてイニング途中に降板。この日は球児までが打たれた。4位に転落。首位巨人が敗れて勝っていれば自力優勝の可能性が復活していたが、それどころではない正念場を迎えた。【酒井俊作】

▼阪神は中日戦に、5月11日から7連敗。このカードでは12年4月14日~6月28日の7連敗(1分けはさみ)以来、7年ぶりの屈辱となった。